親は読んでおきたい『ひきこもりのライフプラン -「親亡き後」をどうするか』

どうも、引きこもり当事者のかずのこです。

ぼくは自分で仕事などして稼ぐことができるようになりましたが、一歩間違えればいつまた何もできない無気力な状態に戻ってしまうかもわかりません。

そんな姿を見ているぼくの親は心配でしょうがないでしょうね。

同じように、引きこもりの子どもを見て「私たちが亡くなった後、この子はどう生きていくのだろうか」と心配になっている親御さん。

何をすればいいか分からず戸惑っているばかりじゃ自分も子どももただ歳を重ねるだけで、止まったままになりますよ。

「親亡き後はどうするのか」不安に感じている人は、ぜひこの本を手に取ってみてください。




『ひきこもりのライフプラン』に書かれてあること

ひきこもりのライフプラン:目次

本著は2012年に出版されましたが、内容は今でも十分伝わるので心配はいりません。

で、目次を見たら前半と後半で別れていますね。

  • 前半:引きこもりの子どもに対する理解
  • 後半:具体的な資産の相続やライフプランの作成方法

この本を読むと「引きこもりの子どもにどう対応していいのか」ということを知ることができます。

そして、子どもが引きこもりから脱するにせよ脱さないにせよ、親として何ができるか理解できるはずです。

 

前半:斎藤環「ひきこもりの理解と対応」

前半を書いているのは精神科でもあり、これまで引きこもりに関する書籍を出版している斎藤環さん。

彼は引きこもり当事者の内心や現状を客観的に見たうえで、あくまで治療者の立場として理解を促しています。

引きこもり当事者であるぼくとしては「引きこもりは治療されるもの」と思われていることに若干抵抗がありますが、引きこもってしまうメカニズムや分析などは非常に的を得ていると思いました。

引きこもりから抜け出すことを難しくしている要因がある

ひきこもり状態を理解するには、「犯人探し」や「なぜひきこもったか」の追求にはあまり意味がありません。適切な支援のためには「何がひきこもりから抜け出すことを難しくしているか」について、十分に理解することが必要となります。

ひきこもりのライフプラン――「親亡き後」をどうするかより引用

引きこもりはいくつもの要因が重なった状態を言い、誰でも引きこもる可能性があるんですよね。

でも、世の中には3ヶ月ほど引きこもればポーンと外に出ていける人もいます。

これは引用文に書いてある通り、引きこもりが長期化するのは「引きこもりから抜け出すことを難しくしている要因」があるということであり、その要因さえなければ子どもはすぐにでも外出できるんです。

実際、ぼくだって自信をつけた途端に出かけるようになったし、知り合いで交通費を親が出すようになったらすんなり外出できるようになった人もいるくらい。

本人との信頼関係を築く方法

本では、引きこもりの自立心を促すために信頼関係を築くことが推奨されています。

親子の信頼関係を築いた上で、家の中が「安心して引きこもれる」環境になることがはじめの一歩になります

これにはぼく自身も覚えがあるんですが、母が「家を守ってくれているから私は嬉しいよ」と塞ぎ込んでた自分を認めてくれたことが、前を向くキッカケになったんです。

この例のように、本人に悪態づいて家から追い出そうとするのは逆効果で、そんなことをしても根本的な解決には至らないということですね。

ただし、これは必ずしも「引きこもりの全肯定」という意味ではありません。家族と本人が忌憚なく「交渉」のテーブルにつくための最初の地ならしとして、どうしても避けて通れない手続きなのです。対立した関係のまま、あるいは会話が断絶したままでは、まともな働きかけすらも不可能になってしまうでしょう。

ひきこもりのライフプラン――「親亡き後」をどうするかより引用

引きこもって何もしないことは、これからの人生に対する不安の現れです。

外の世界は嫌なことばかりで、自分は社会でやっていけず搾取されるだけだと思っているのかもしれません。

インターネットを通じて外の世界を見ていると、ブラック企業やら人間関係やらで不条理なことばかり見えてくるもんです。

苦しいだけの世界で命を削るくらいなら、抑揚がなくても家でひっそり暮らしている方がマシ。

引きこもりはそう思っていても不思議じゃありません。

「外の世界もそんなに悪いことばかりじゃない」「この仕事なら絶対にうまくやっていけるさ」「お前には他の人よりも秀でているところがある」

家以外に接点のない引きこもりにとって、そんな風に背中を押してくれる存在は家族以外にいないんですよ。

前半めとめ:親の視点からでは分からない気づきがたくさんある!

紹介した部分はほんの一部でしたが、前半は引きこもり家庭における信頼関係を作る必要性が書かれてあります。

そこから派生して、利用できる社会制度・福祉サービスや家庭内暴力への対処などについても捕捉されているので、持っておくだけでも参考になりますよ。

 

後半:畠中雅子「ひきこもりのライフプラン」

著者の畠中雅子さんはファイナンシャルプランナーで、働いていない子どもの将来の暮らしについてアドバイスをされてこられた方です。

彼女はこの本で、引きこもりの子どものライフプランを立ててみたとき、親のもつ資産や持ち家の状況によっては、子どもが一生食べていけるケースがあると語っています。

ライフプランを立てるメリット

畠中さんは、ライフプランを立てるのはなるべく早い方がよくて、先送りにしていると子どもが拒否してしまう可能性があると言っています。

その代わり、ライフプランを設定しておくことで親子共に「何をどうすればいいか分からない状態」から抜け出すことができます。

「何をどうしたらいいか分からない」まま無駄に時間を浪費しなくなるので、それだけでも大きなメリットと言えます。

ただ、あくまで子どもが一生食べていけるケースがあるというだけで、資産状況次第で全ての家庭で再現できるとは限らないことも知っておいてくださいね。

たとえ正社員になれなくてもいい

もちろん子どもが万が一ずっと働けなくても大丈夫なように設定されますが、途中で状態が改善して収入を得るようになる可能性は十分あります。

たとえば、正社員として勤めるのは無理でも、派遣社員やパート、あるいはアルバイトなどで収入を得られる可能性もあるはずです。親は、「正社員になること」にこだわるケースがありますが、アルバイトの収入が継続して発生するだけでも、サバイバルプランはかなり好転します。正社員になるという高いハードルを越えなくても、アルバイト収入があるだけで、プランがかなり楽になる状況を提示し、安心してもらうことも重要だと考えています。

ひきこもりのライフプラン――「親亡き後」をどうするかより引用

引きこもりが正社員になること自体は、この本が販売された2012年よりもかなり楽になっていて、下の記事で紹介している就職サポート事業を利用すれば、比較的難易度は低いです。

【2018年版】引きこもりでも有利に就職できる「就活サポート事業」まとめ!

2017.06.28

でも、引きこもり当事者が正社員になろうと思えない1番の理由は「自分が社会でやっていけると思えない」から。

だからこそ、まずは「安心して引きこもっていられる環境」に身を置いて、アルバイトでも在宅ワークでも、自分で稼ぐことに前向きになることが大事なんですよね。

資産と負債のバランスシートで実際にライフプランを作成してみよう!

引きこもりのライフプラン:資産と負債のバランスシート

親の資産や負債から、子どものライフプランにかけられる金額や、今後必要になる不足分などを知ることができます。

具体例も書かれているので、参考にしながら実際に金額を当てはめて作成してみてください。

ただ漠然と「どれくらい必要なのか分からない」というよりも、金額面でハッキリさせておくと迷宮入りは避けられますよ。

金額を子どもに提示しておくことも、場合によっては子どものやる気を引き出すかもしれません。

「仕事せんでもなんとかなるでしょ」と考えていると、最終的に困るのは子ども本人ですからね。

 

親は引きこもりの子どもに自立してほしい

ぼくの親はいつもこう言っています。

「親が元気に働いてるうちはいいけど、いつまでもお前を養っていけるわけじゃないからな」

それは分かってる。分かってるけど、だからといってそう簡単に脱引きこもりできる人ばかりじゃないですよね。

ぼくは家でできることを増やし、現在は在宅ワークなどで生計を立てられるようになりました。

そんな風に、子どもが自分自身で一歩ずつ自立に向かって行けるようになることもあります。

赤ちゃんが歩けるようになるとき、初めて自転車に乗れるようになったとき、親はいつも見守っていたはずです。

それと同じように、子どもが自分の力で生きていけるようになる姿を見守ってあげてください。

 

引きこもりのライフプランを立てよう

引きこもりが長期化して状況が悪化する前に、この本を読んで行動を起こしてみてください。

親として子どもに直接してあげられることは少ないですが、生きていくための協力はしてあげることができます。

「引きこもりは甘い」という偏見を捨て、子どもの命を支えるために今できることをしましょうよ。

そのとき『ひきこもりのライフプラン』は必ず役に立ってくれますよ。

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