ただひたすら圧倒されてしまった『この世界の片隅に』の感想【ネタバレあり】

      2016/11/29

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どうも、かずのこ(@roomliveman)です!

 

女優のんさんが声の吹き替えを主演して、話題にもなっている映画『この世界の片隅に』を観てきました。

原作者こうの史代先生はマンガ家対談のときにも触れましたね~!

「マンガ家対談 かわぐちかいじ×こうの史代」で面白い話をいっぱい聞いてきた!!
  いつもお世話になっております、かずのこ(@roomliveman)です! 先日の7/3に「マンガ家対談 かわぐちかいじ×こうの史代」というイベントに行ってきました。なんせ家から近かったのと、参加無料というのが聞きましたね。 長くマンガ家として活躍しておられる先生方のお話は興味が湧くような内容ばかりで、ときおり会場で笑いが起きていました。 こうやってブログを毎日書いている自分にとっても参考になる話は多かったので、ここでご紹介します!   かわぐちかいじ先生、こうの史代先生について かわぐちかいじ かわぐちかいじ先生の名前は『ジパング』を読んだので以前から知っていました。他にも『沈黙の艦隊』や『僕はビートルズ』などで目にした機会はあるかと思います。 リアルで目に生命力があるキャラクターが魅力! ジパング(1) (モーニング KC) posted with ヨメレバ かわぐち かいじ 講談社 2001-01-20 Amazon Kindle 楽天ブックス 200X年のイージス艦が、1942年にタイムスリップしたならば――。来(きた)る太平洋戦争が、その先のみらいが激震する!! ――海上自衛隊所属、最新鋭イージス艦「みらい」、謎の暴風雨に遭遇(そうぐう)。そしてすべての僚艦(りょうかん)、失踪(ロスト)&&。やがて、1942年・ミッドウェー海戦域のド真ん中に出現した「みらい」は、撃墜(げきつい)された海軍将校を救助。そして、「歴史」は塗り替えられる――!! 講談社漫画賞受賞。圧倒的なイマジネーションで描き出される、歴史横断超大作!   こうの史代 こうの史代先生は『この世界の片隅に』というマンガが10月に劇場アニメとして放映されるので気になっていた方です。知り合いも「絶対読むべき」と言っていたので、今度借りて読ませてもらう予定^^ この世界の片隅に 上 (アクションコミックス) posted with ヨメレバ こうの 史代 双葉社 2008-01-12 Amazon Kindle 楽天ブックス 平成の名作・ロングセラー「夕凪の街

 

今も広島に住む、こうの史代先生の代表作。

それがアニメ映画に、しかも監督が片渕須直ときた!

片渕須直は僕が愛してやまないゲーム『エースコンバット5』の脚本を担当した人なので、間違いなく成功するだろうと睨んでいました。

エースコンバット5

 

この映画は「当時の暮らし、できごとを、ひたすら現実的に再現したアニメ」でした。

ひたすら現実的にとは言っても、戦争の悲惨さや人を失う哀しさを伝えるものじゃない

戦争中のひとりの女性が感じた力強さ、弱さを柔らかいパステルなタッチで描いていく。

そんな不思議な映画です。

僕はこの作品を映画館で観てよかったと思います。

 

 

『この世界の片隅に』を観て・・・

舞台は第二次大戦中の広島県呉市。

当時、海軍の鎮守府が置かれた中心地でした。

広島市に住む、ふつうの女性すず(cv.のん)が呉の家に嫁いだところからはじまります。

 

ごくふつうの家、ふつうの女性が、ふつうに過ごしていく物語。

アニメ映画なんだけど、そこにはホンモノの世界・・・ホンモノの暮らしがある感覚だった。

アニメとは思えないほど現実的で、過去に実際にあった世界なんだ・・・!

感想をもらしつつ、この映画の魅力部分を書きます。

 

ここからは若干ネタバレ含むので、まだの人は注意してくださいね。

 

 

なぜ『この世界の片隅に』は”現実的”なのか

この映画はアニメです。

絵のタッチも現実的というよりはデフォルメって感じです。

だけど、観終わった人は誰もが「アニメっぽかったな」なんて思わない。

アニメとは思えない、おそろしいくらいのリアルさ、現実感が詰め込まれた作品でした!

 

どこがどれだけリアルかというところを3つに分けてみたので、これから述べていきます。

 

『この世界の片隅に』の現実感① あくまで当時の広島の様子が描かれている

この映画は、当時の生活の様子が綿密に再現されています。

着物をリサイクルしてもんぺを繕ったり、熱いものを触って思わず耳たぶを触ったり、家の光が目立たないように明りの周りを布で隠したり。

細かいところを何ひとつとってもアニメ的ではない。

僕の横で観ていたおばあちゃんが、うんうんと当時を懐かしむようなそぶりを見せていたほどです。

 

その時代に生きている人たちの世界が、目の前に広がっていた。

とはいっても、場面は主人公のすずが見ている景色しか出てきません。

そのすずが見ている世界も狭く、家の中で起こったことがほとんどです。

だけどまっっったく飽きることはなかった!不思議ですねえ。

 

上映中、クスッと劇場を沸かす場面が何度もあったけど、それは「一家団欒(いっかだんらん)のときの笑い話」に似た感覚でした。

それがとても心地よく、よりこの作品に対する没入感となりました。

 

 

『この世界の片隅に』の現実感② 声や音の自然さ

なんといっても、登場人物の広島弁がビックリするほど自然で、違和感なんてもんはありませんでした。

僕は広島生まれで今も住んでるんだけど、劇中の広島弁はとても分かりやすかった!

もちろん広島弁に詳しくない人でも理解できるような言葉を選んでいるんでしょうけどね?

 

主演ののんさんの声に初めは違和感があったけど、それは子ども時代のときだけでした。

主人公すずが成長して大人になるにつれ、「ウチはのんびりしとるけぇ」なキャラに見事にマッチしていったんです。

ほんとうに素晴らしい演技でしたよ。

まさに等身大で体当たりの演技だったと思います。

ジブリとかの棒演技より100億倍マシ

 

そして街の喧騒もエンジンの音も、家事をしている物音だってあくまで自然に、そしてリアルだった。

この物語はたくさんの”ふつう”でできていた。

それがとても心地よかった。

 

 

『この世界の片隅に』の現実感③ 本当に会った空襲

フォーカスが当てられているのは戦時中のふつうの家族。

戦時中なので、当然空襲警報もありました。

呉市は特にひどく、多い時には1日に何度も空襲警報が鳴り、そのたびに夜も眠れず防空壕へ避難する生活を強いられていました。

作中の街の人たちはあまりにも多い警報に「どうせ今回もこんじゃろう」と悪態づいていたり。

しかし本当に空襲があったとき、なすすべなく家や近親者を失い、やるせなさを感じていました。

そうか。作中で起こったできごとは僕らの生きるこの現実で、実際に起こったできごとなんだ。

 

この映画は、戦争の悲惨さや人を失う哀しさを伝える映画じゃない。

だから、人が亡くなったところで哀しいBGMがかかったり、泣かせにくるような演出はない。

それだけに単純な”悲しい”じゃない、言葉にできない想いが伝わってきたのです。

 

 

『この世界の片隅に』は、ふつうの女性すずが見ていた世界だった!

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▲劇場でもらったポストカード

 

全てを観終わって気付いたのですが、この映画は最初から最後まで、すずがいる場面しか映らない

ふつうの暮らしの風景・・・

よくわからないまま空襲に巻き込まれていく様子・・・

きれいな景色を”動く絵”のように見たてる・・・

自分のせいで命が消えてしまった絶望の黒・・・

 

これらはすべて、すずの見ていた世界だったんです。

このことに気付いた瞬間、この映画は何を伝えたかったのか、分かったような気がしました。

 

起こったことを受け止め、あるがまま生きていく姿は・・・どんな超人が出てくるストーリーより強く、悲しく、尊いものだと感じました。

これ、意識して見せてたのか、監督に聞いてみたいですね。

 

 

『この世界の片隅に』を観終わったあと、よく分からないまま圧倒された

この映画は悲しい物語じゃない。

実際に起こった出来事をあくまでリアルに忠実に描いていただけ。

だからエンディングが流れても”観終わった感”はなかった。

けど、エンディング中はなぜだか身震いがしました。

涙があふれて止まらない、というわけでもなく。

たいして何も思わなかった、というわけでもない。

ただただ、”圧倒”されました。

 

 

『この世界の片隅に』を映画館で観てほんとうに良かった!

これは1人でDVDを借りて観るのはもったいないと思う。

世界観にふさわしい音楽、生活音を聴いたり、周りの客と感覚を共有したりできるのは、映画館だけだ。

まぁ客の質が悪いなら逆効果なのかもしれんけど・・・(笑)

 

僕が観た劇場は、広島市内の小さな映画館「八丁座」です。

中心街デパートの中にあるからか、マダムが多かったですね。

座席ゆったり、スペースも広々!正直に言ってめちゃくちゃ過ごしやすい劇場でした。

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「『この世界の片隅に』誰もが評論を諦める高難易度作品を語るよ!!宮﨑駿あなたが川上量生にそれを言っちゃいます?」もオススメ

以前に紹介したことがある書籍の著者の岡田斗司夫氏が、『この世界の片隅に』の評論を動画にしています。

 

 

これから観る人へのアドバイスなんだけど・・・泣くな!泣けるだろうけど、絶対に泣かない方が良い。

なんでかっていうと、人間っていうのは泣いてしまうと感性が閉じてしまうし、理性が働かなくなっちゃう。泣いた瞬間に「泣く映画なんだ」と思ってしまう。で、一度泣き出しちゃうと泣き所を探しちゃう。一度泣き出すと理性が働かなくなってくる。

この映画は理性と感性を全開にして観た方が絶対に良いんだよ!口で言えないほど、泣くこともできないほどの『すさまじい感動』が、泣かずに踏ん張ってたら最後に「うおお~!!」ってくるから(笑)

なので、安易に泣いて、”泣ける映画”にしない方が良いと思うよ。

点数・・・そんなん100点に決まってんじゃん!!(笑)

これがかなり面白いんですよね~!

楽しく熱く語っているので、聞いてるだけで「ああ、映画館に観に行かなくちゃ・・・」って気分になりました。

映画を観終わったあとにもう一度見ると「うんうんそうなんだよね~」と思います。

途中まではネタバレがないので、観ようか迷ってる・・・という人はぜひ動画を参考にしてください!

いや、マジでこのブログを読むくらいなら、岡田斗司夫氏のこの動画を聞いてみましょう!(笑)

 

 

『この世界の片隅に』は言葉で説明できない

まさに言葉にできない作品だったので、こうやってブログで批評しようにも言葉が浮かんできません。

主人公のすずが確かにそこにいて、すずの目を通して自分も同じ世界を観ていた。

そんな不思議な2時間でした。

 

そして、なんとこの映画は製作費をクラウドファンディングで募ったんですよ。

目標額を大幅に越して製作費が集まり、また呉などの地域に根差した団体とも連携した、本当に多くの人の関わりによって作られた作品です。

エンドロールに出てくる関係者の名前の多さには圧巻ですよ!

 

・・・

 

『この世界の片隅に』の原作マンガ、実はセール中に買ってたんだよね。

先に映画から観ようと思ってたから放置してたけど、マンガの方はこれから読み進めますよ~。

 

 

 

僕が言えることはただひとつです。

 

「映画館に見に行け!」

 

 

それでは^^

 

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かずのこ
広島県広島市にひっそりと住んでいる現役の引きこもり。適応障害や学習性無気力を克服した。ブログ関係で仲良くなった人を実家に泊めたりしています。引きこもりバンザイ!
・詳しいプロフィール
・無気力な引きこもりを活動的に変えた13の大きな出来事

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